2012年1月2日月曜日

君の揺りかご



君をいとおしむ思いを隠しようもなくさらけだす母
戸惑いながらも君のすべてを引き受けようとする父

あなたを愛する人々の気持ちはやさしく君の心に転写される
そういった心の仕組みがあることを僕らは知っているけれど

あらかじめ定められた決まりごとではなく
君の柔らかな皮膚をとおしてそのことを新鮮に体験する

やがて君は少しずつ身の回りのことから聴き分けて
この世界が傷つきやすいことを手探りで理解するだろう

がれきの街の光景をこの国の記憶として
目にするのはしばらく後になるにしても

君は痛みの気持ちでそれを受け止めることになる
愛はその準備のための揺りかごなのだよ