2012年6月24日日曜日
Chapter 19
日々のできごとは ありふれて
笑顔のように やわらかで
そのひとつひとつが 紡がれて
ないかたちが ものがたりになる
すてきなできごとが 時折
見開きの挿し絵として 添えられて
例えば ほんの少しの恋心
それと同じ重さの 抱擁の場面
ありがとうの言葉は多分 句読点のように
生きることへの 息継ぎになる
本棚に たてかけて
読み手を待つ ものがたり
これからも程よい 時間があり
語り継がれる ものがたり
2012年6月16日土曜日
しゃぼん
小さなひと息で ふたつ みつ よつ
見上げれば空に いつつ むつ ななつ
それとおなじほどの数で
ちいさな声が 私に呼びかける
はい そう応えても
笑顔を返すだけなんだね 君は
小さなひと息で ふたつ みつ よつ
見上げれば空に いつつ むつ ななつ
虹色のしゃぼんが
虹色の声に はじけるようだ
はい 少し語尾を上げても
言葉にならない 会話が続くだけ
小さなひと息で ふたつ みつ よつ
見上げれば空に いつつ むつ ななつ
はい 言葉が同じだけ
空にはじけるのだとしたら
ただ 今はきみのためにあろう
シャボンのように 吹かれていよう
2012年6月3日日曜日
2012年3月21日水曜日
2012年1月2日月曜日
君の揺りかご
君をいとおしむ思いを隠しようもなくさらけだす母
戸惑いながらも君のすべてを引き受けようとする父
あなたを愛する人々の気持ちはやさしく君の心に転写される
そういった心の仕組みがあることを僕らは知っているけれど
あらかじめ定められた決まりごとではなく
君の柔らかな皮膚をとおしてそのことを新鮮に体験する
やがて君は少しずつ身の回りのことから聴き分けて
この世界が傷つきやすいことを手探りで理解するだろう
がれきの街の光景をこの国の記憶として
目にするのはしばらく後になるにしても
君は痛みの気持ちでそれを受け止めることになる
愛はその準備のための揺りかごなのだよ
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