2012年6月3日日曜日

がんばるぞう


 
がんばるぞう がんばるぞう
自分に向けて 声をかける

心が 前を向く
体が 前を向く

前に向かえば 風が起きる
起きる風が 心を研ぎ澄ます

前を見渡せば 道がある
自分で選ぶ 道がある

選んだり 迷ったり
そうやって 自分を見つけるのだね

がんばるぞう がんばるぞう
自分に向けて 声をかける

心が 温かくなる
体が 温かくなる

温かくなれば やわらかくなる
やわらかな心で 考える

温かかさで 誰かを想い
いつか誰かに 伝わる

がんばるぞう がんばるぞう
それは 自分と誰かをつなげてくれる

2012年3月21日水曜日

おめでとう



この日もこの国のどこかで
たくさんの涙があるのだろう

喪くしたものへの思慕や
温もりに応えるための涙かもしれない

人々の心からあふれる涙は
その笑顔と同じ重さで愛おしい

別れの日に似つかわしい声
出逢いの日にふさわしい顔

これからもたくさんのことが
あなたの心を揺らすことだろう

あなたの涙があなたを励ましてくれる
いつかそんな時も来る

あなたがあなたの涙を信じていられるよう
私は祈っていよう

おめでとう

2012年1月2日月曜日

君の揺りかご



君をいとおしむ思いを隠しようもなくさらけだす母
戸惑いながらも君のすべてを引き受けようとする父

あなたを愛する人々の気持ちはやさしく君の心に転写される
そういった心の仕組みがあることを僕らは知っているけれど

あらかじめ定められた決まりごとではなく
君の柔らかな皮膚をとおしてそのことを新鮮に体験する

やがて君は少しずつ身の回りのことから聴き分けて
この世界が傷つきやすいことを手探りで理解するだろう

がれきの街の光景をこの国の記憶として
目にするのはしばらく後になるにしても

君は痛みの気持ちでそれを受け止めることになる
愛はその準備のための揺りかごなのだよ

2011年11月24日木曜日

初恋 2



あなたに恋して変わったこと

ただぼんやりとあなたをみつめることや
なんでもない場所をなんでもなく歩くことが好きになり

会ったこともない誰かのしあわせを祈ることや
自分のまかないの範囲で誠実であることを疑わず

あらかじめ定められたやり方に倣うより
そのあやふやさをおかしむことを学んだ

それがあなたに恋して変わったこと

2011年10月15日土曜日

カフェ 昭和編



このカフェの噂には
ささやきとほほえみが寄り添う

読まれたがる本たちが
ドアを開けて読み手を誘い

マダムと食材のおしゃべりが
奥のキッチンから遠慮がちに響く

ギロチンの音に振り返ると
マスタの叩くレジスタらしい

映画から抜け出る気分で
男たちは時を求め

ポスターの女優めいて
女たちは時を捨てる

ディスプレイの謎解きに
時代の答えが見つかったかい

それより晴れの日の雨傘のように
ここで過ごしてみよう

頼りない思いはそのままに語り
信じることは軽やかに受け止めよう

ぎこちない言葉があるように
やわらかな嘘がある

あなたの隣にいる人は大切な人で
あなたの隣にいない人もまた大切な人

このカフェの噂には
ささやきとほほえみが寄り添う

私にできること



あなたたちを愛していると
心と体で言葉とぬくもりで抱きしめようか

あなたたちの心と痛みを
私にできるせいいっぱいで想像してみようか

あなたたちとともに
喜びと哀しみの多くの物語に耳を傾けようか

あなたたちのように
美しいものを美しいと語り合おうか

あなたたちが大切にしているものを
きちんと大切にしようか

あなたたちの命を守り抜く覚悟
それを笑顔で伝えようか

どれも正しいようでいて
そのどれでも足りないような気もします

2011年10月10日月曜日

引力




あなたが生まれた日

まるでこの世に初めて

引力が生まれたようだった

身近なものが繋がり魅かれあい

言葉に意味が生まれた

あらゆるものが名付けられ

それぞれが輝きを得た

だからこそ失われることに

これほど怯えてしまうのか

不器用に伝えたがる心が

おしゃべりにさせてしまうのか

あなたが迷子になる時に

互いのぬくもりを

その手が忘れないよう

今日はそのことを思い出す日なんだ