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日差しがあれば 熱に身をゆだね
しなやかな体を 取り戻す
つまり ちいさな水たまりになり
あるいは 大気にまじりあう
いずれ 海に還るにしても
あるいは 雲に還るとしても
ああ それは旅をすることだね
誰かと ひとつになることだね
時間の 鎖に繋がれたまま
永遠に その姿をとどめても
溶けない雪だるまは哀しい
溶けない雪だるまは寂しい
だから さようなら
しばしの おさらばでござる
そこで 旅人になり
あるいは 誰かと恋をする
溶けない雪だるまは哀しい
溶けない雪だるまは寂しい
腹の中にプルトニウムを抱え
太った男が空から降りてきた
その毒をぶちまけることで
失われたものは何でしょう
ささやかでつつましい幸せだとか
誰の 多分たくさんの人の
坂と海の街のおだやかな風景とか
そこにあった とりもどせないままの
未来に向かう子供たちの笑顔であるとか
この子の そしてあの子たちの
ささやくように秘められた想いだとか
恋人たちの 断ち切られた絆の
交わされた約束や言葉であるとか
こんにちはまた後で 果たされないままの
手の届かないほどに 愛おしく思われるすべてのもの
失われたものは 失われたままの
太った男に 哀しみはなかったのかしら
そこには 怒りでさえなかったのかしら
夕食の買い物のように 品定めされ
選ばれただけなのかしら この街は
怒りは 突き抜けてしまうと
とても 哀しく 痛むのに
いつまでも 哀しく 痛むのに
つまり 君とここで出会ってしまうのだね
それは願ってもないことだけれど
なんだか こわれそうな音が
あやふやなまま 僕らの周りをただよっている
それをどうやって 残しておけばよいのか
とまどっっているんだ
詩人なら言葉に 音楽家なら音符に
そのどちらでもない僕にできるのは
ぼんやり 笑っているだけなんだ
忘れられた トタン屋根みたいにね
土鈴の乾いた音色が空をわたる
そら耳だとわかっていても
聞き逃したくないから目を閉じた
あなたが何を望んでいたのか
その笑顔を思い描くことができるのに
答えることができない
こんな美しい空になぜあなたは逝ったのか
確かに暖かな春の日は
あなたにとてもふさわしいのだけれど