2013年11月8日金曜日

birthday

あなたと出会う前から
その日が来ることを知っていた
あなたが生まれる前から
ずっと待っていたようで
例えば窓の外
雨の風景を眺めながら
待ちわびる時間が長いだけ
なおさらに愛おしく
持ち合わせの言葉を尽くしても
埋めようもないほど待ち尽くして
どれほどそばに居ても
あなたを抱きしめている時でさえ
明日のあなたを待つことが
しあわせな時間なのだ

海竜 第2章 Plesiosaur Ⅱ

あなたが消えたなら
あなたの中の私も消える
それはかまわない
とめようのないことだから
そうやって忘れ去られたものたち
忘れられたことさえ忘れられて
もとめようのないことだから
ここにあることだけが確かなことであって
明日と昨日が同じ重さで
いつか失われるとすれば
ただひたすらにあなたのためにあろう
よろこびの種や涙のわけを
いくつか心に留め置きながら
愛おしさを愛おしさのまま
あなたをだきしめよう
ただひたすらにあなたのためにあろう

鬼はうち

福はうち 鬼はそと鬼も裸で寒からう
福はうち 鬼はそと鬼は追われてどこへ行く
福はうち 鬼はそと鬼は泣いているかしら
福はうち 鬼はそと鬼のおうちはどこかしら
福はうち 鬼はそと鬼は心の中にいて
福はうち 鬼はそと鬼がぎょろりの目を覚ます
福はそと 鬼はうち

2012年6月24日日曜日

Chapter 19




日々のできごとは ありふれて
笑顔のように やわらかで

そのひとつひとつが 紡がれて
ないかたちが ものがたりになる

すてきなできごとが 時折
見開きの挿し絵として 添えられて

例えば ほんの少しの恋心
それと同じ重さの 抱擁の場面

ありがとうの言葉は多分 句読点のように
生きることへの 息継ぎになる

本棚に たてかけて
読み手を待つ ものがたり

これからも程よい 時間があり
語り継がれる ものがたり

2012年6月16日土曜日

しゃぼん


 
小さなひと息で ふたつ みつ よつ
見上げれば空に いつつ むつ ななつ

それとおなじほどの数で
ちいさな声が 私に呼びかける

はい そう応えても
笑顔を返すだけなんだね 君は

小さなひと息で ふたつ みつ よつ
見上げれば空に いつつ むつ ななつ

虹色のしゃぼんが
虹色の声に はじけるようだ

はい 少し語尾を上げても
言葉にならない 会話が続くだけ

小さなひと息で ふたつ みつ よつ
見上げれば空に いつつ むつ ななつ

はい 言葉が同じだけ
空にはじけるのだとしたら

ただ 今はきみのためにあろう
シャボンのように 吹かれていよう

2012年6月3日日曜日

がんばるぞう


 
がんばるぞう がんばるぞう
自分に向けて 声をかける

心が 前を向く
体が 前を向く

前に向かえば 風が起きる
起きる風が 心を研ぎ澄ます

前を見渡せば 道がある
自分で選ぶ 道がある

選んだり 迷ったり
そうやって 自分を見つけるのだね

がんばるぞう がんばるぞう
自分に向けて 声をかける

心が 温かくなる
体が 温かくなる

温かくなれば やわらかくなる
やわらかな心で 考える

温かかさで 誰かを想い
いつか誰かに 伝わる

がんばるぞう がんばるぞう
それは 自分と誰かをつなげてくれる

2012年3月21日水曜日

おめでとう



この日もこの国のどこかで
たくさんの涙があるのだろう

喪くしたものへの思慕や
温もりに応えるための涙かもしれない

人々の心からあふれる涙は
その笑顔と同じ重さで愛おしい

別れの日に似つかわしい声
出逢いの日にふさわしい顔

これからもたくさんのことが
あなたの心を揺らすことだろう

あなたの涙があなたを励ましてくれる
いつかそんな時も来る

あなたがあなたの涙を信じていられるよう
私は祈っていよう

おめでとう